ひじり屋物語 バックナンバー 2007年 】


2007年1月17日

 ある露天の「お正月三が日出店」企画に参加しました。
大晦日から他の業者と焚き火を囲んで準備し、何となくワクワクとお正月を待ちました。
ところが、参拝客をあてにしていたのですが、少しコースからはずれた場所だった為、全くお
客が通らず、売上よりも何よりも期待が大きかった分ガックリと来てしまいました。
でも、声を掛けていたお客様や知人が参拝がてら陣中見舞いにと「寒い中大変やね」のね
ぎらいの言葉と一緒に色んな物を差し入れてくれました。三日間車中で寝泊りし、夜はすき
焼き等作って囲み、業者同士四方山話に花を咲かせ、何となくキャンプみたいなお正月を
過ごしました。売上はひどかったけど、それはそれである種、楽しいお正月でした。

 *他から見れば、まあなんとお正月から大変ね、と哀れな露天商に見えたかな、とも思いましたが、「こんな
  人生があるなんて、捨てたもんちやうな!」と少しニッコリしたものです。


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2007年3月2日

お客を呼ぶ手段として考えたのが店での催事です。そして色んな思いで集めた品々に「日
の目」をみせてやろうとのオモイもあったのです。

 一番最初の催事は「ひな祭り展」です。もう12回目を迎えます。とても楽しく華やかで集客
力も有ります。お客様はやはり女性が多く、ありがたいことに着物やちりめんのハギレ等の
売上にも貢献してくれます。(現在は郷土雛や江戸〜昭和のお雛様、お道具等を色々集め
て展示しています)。
 

 「古布に遊ぶ展」は今から10年位前に、更紗や中型染め等に魅せられて、売れもしない
のにため込んだ古裂を「見せびらかしたくて」展示したのが始まりです。
1回目、期待してなかったのに早々にお気に入りの和更紗が売れてしまい「何で売れたん
や」と主人は不満顔でした。でも、きちんと物を見るお客様でしたので、いい所へ嫁入りで
きて良かったと私は喜んでます。
                   中型染め 傘尽し

 「兵庫の焼物展」は三田青磁を扱ったのがきっかけで、県下の焼物に興味を持ちました。
「古布に遊ぶ展」の少し後でしょうか。地元と言うこともあり「数寄者」も多く、再評価の動き
も出てきた頃です。素朴で大らかで稚拙?でも中には素晴らしく上手の品も有り、かたひじ
張らずに扱える、でも油断はならんぞ、みたいな「おらが故郷(くに)の焼物」と自慢に思って
ます。
             
  *お客様にご来店いただくということは大変です。骨董祭出展、店での催事等、外に向けて働きかけねば
    広がってゆきません。のんきな骨董屋さんもちょと考えました。(おかげでしんどい!)


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2007年3月20日

 今回掲載の緊急報告の様に、単なる仕入が一つの資料発見となる、これも骨董屋の
醍醐味です。

 何に価値を見出すかはその人の勝手ですが、欲しがる人がいればそれは一つの流行と
なります。何の気なしに仕入れた商品が、店では売れず、しょうがなしに出した市場で、な
んと付け値の5倍で売れた・・。それは流行や、分野の違い、不勉強等等、(単にお馬鹿な
業者がいたのかもしれませんが)色々考えられますが、これはワクワク物です。競馬で
一発当てた人の心境でしょう。また次も、と良い意味で必死に勉強し仕入れます。

 流行ったお陰でとんでもない値段になり、本に掲載され「あ〜こんなんお目にかかれない
」と垂涎の的となる品になります。数が少なければその価格はてっぺんで維持されますが、
売れるで〜となると皆が必死に探し出し、出るわ出るわ状態になると「その幻の・・・・」は
ストーンと値段を下げてしまいます。あ〜なんと昔にエエ値段出して仕入れた品が今じゃ
3分の1、でも変な意地でまだ持ってますデス。そんな業者がいっぱいです。
(時代と人が値段を創りだすのかもしれません)

 ネ、骨董屋っておもしろいでしょ?
自分も楽しんでお客とはしゃぎ、ときには歴史にも?残る様な逸品や資料を堀り出すこと、
となるんですから。

    *売る為だけでなく、何かにこだわることも私達にとって商売と言えるかもしれません。


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2007年4月15日

 定休日以外必ず店を開けるのがモットー、なので露天や市場に出かける私達に代わって
アルバイトさんが頑張ってくれています。

 開店から半年過ぎた頃から臨時にアルバイトを頼みました。仕事は電話番が主で、来客
は殆んどないし楽だったと思います。
2年経つ頃には、古裂のセット作りが始まり、着物が入荷しだすとその整理に追われる様
になり、事務処理等、仕事らしい仕事が増え始めました(お客も少しは増えたし)。
扱う物は骨董だし、値段がついてない商品もあるし、これはゴミか!みたいな品なもあるし、
でアルバイトさん達は結構神経を使っていると思います。
今ではパソコンからセット作りまで、とても助かってます。(有難うございます)

 私の方も、当初人慣れするまで胃腸の調子がおかしくなり、人を使う難しさをしみじみ感じ
ました。今では、お互い友人感覚で(仕事以外でも)あれこれ刺激しあう仲です。彼女達は
殆んどが主婦なので、小難しいことは言わず各々の経験と智恵を活かし得意分野で頑張っ
てもらえれば、と思っています。

 困ったことは、アルバイトさんも私もお互いイイ年で「あれは何処、これは何?」「誰か一人
位は解ってないんか〜」とよる年波に勝てず苦笑いの毎日、トホホホ!。(年だけか?)
うれしいことは、おすそ分けが多く、「田舎からのいただき物ですのよ、おホホホホ!」などな
ど主婦にとって嬉しい食材をやったり貰ったり、があることです。
彼女達はマイペースです、そう、与えられた仕事をどうすれば上手くこなせるか、キッチリ考
えて行動します。私は小さな脳みそにいっぱいの無理難題を詰め込もうとして、四苦八苦。
「自分のペース」を見落としそうになります。 しっかり深呼吸をして負けず頑張ろう、と日々
闘っております。

                                                目次へ 戻る


2007年5月5日

 ひじり屋は、こんなんですが(どんなや!)なんとパソコンで色々処理してるんですよ。
おかげで事務処理や賀状、案内状等ずいぶん助かっております。

 創業当初からお客様宛ての年賀状等、全て手書き、それこそ字の上手なバイトさんと二
人三脚で何百枚と書いてました。でも、あまりにも多忙過ぎて書く目的が・・・みたいになり、
思い切って4年前パソコンに切り替えました。
例のアニメ残党の身内にパソコンのインストラクターなる女性がおりまして、まあ手取り足
取り(馬鹿チョンおばさん達に)嫌な顔もせず教えてくれます。

 彼女は周囲のあくの強い人達の中で一見普通に見えますが、これが又ヤンワリ根性持
ちでニッコリ笑ってちゃんとモノにする、という頑張り屋さんなのです。笑顔が実に可愛くしっ
かり者、なんで嫁の貰い手が、いや、嫁に行く気がないんやと巷の雀の噂しきり。
器械音痴の私達がチョンチョンとパソコンを操作し「エッヘンどんなもんや」と、ちょっと悦に
入られるのも、彼女のおかげと感謝しております。

 伊万里の仕入れ数が減ると、今度は人気の着物が馬鹿ほど入ってきました。
そう!骨董屋に「楽」と言う文字はないのです。そんな私の強い味方となっているのがパソ
コンなのです。(でも振り回されない様にしよ)
 
 *あ!あれはなんだ、お月様か?イヤ、弱きひじり屋を助け、悩める学生達を励ます、スーパーパソコンウー
   マンだ!!彼女は「パソコンインストラクター」 として、日夜飛び回っているのです。(パソコンにお悩みの方、
   これから勉強をとお考えの方、是非ご相談下さい。彼女は飛んで行きますよ。)

                                     
                                                目次へ 戻る


2007年5月29日

 他から見ると「大丈夫?あの店」と思う位お客様はあまり来ません。骨董屋ってそんなも
んですが、でもちゃんと売って(買って)るんですよ。以下、(古裂の)セリ市場がどんなもん
かな〜をご紹介。

 店でお客に売れなくても、骨董祭で頑張れば、セリ市場に出せば、又、同業者が何かナ
イカと来れば、お金にはなるんです。セリ市場を中心に売買する業者の方が多いかもしれ
ません。このセリ市場、まるで人間ドラマを目の当たりにしている様で面白いのなんのって
「華麗なる・・」なんて目じゃない位です。まず縦社会なので、下っ端のピーピーなんておい
それと買わしてはくれません。無視してセリ上げようもんなら「10年早いわ」とノタマワレマス。
物凄い値段までセリ込まれて、沈没しそうになります。 (まあ世の中はこんなもんでしょうが)

 市場で売るときもほんの一寸技術が入ります。少しでも高く売りたければボーとしてては
ダメ、「ひじり屋さん素敵!」と出した瞬間惹きつけなければなりません。流行の(先取りし
た)品目や、出す順番や、業者の顔ぶれも考えに入れなければいけません。ところが買う
業者も同じものが続くと厭きるし、昼前はお腹がすいて気がそぞろだし、昼過ぎは眠たい
みたいだし、で「テメーら死んじまえ」と毒づきたくなることしばしです。

 でも、おじさんおばさん達の強烈な個性のぶつかり合いの中を、丁々発止と渡り合って
スコーンと良い値段で売りさばけたとき、「私は天才だ」と自分をほめてやりたくなります。
品が良ければ売れるのは当たり前、それを超えたところでいかに業者を惹き付けるかが
肝心毎回心理戦争やってるみたいです。
なんて偉そうなことを書いてますが、スカタンも結構有ります。まあ、愛嬌アイキョウ。

 *怖そうな先輩達ですが味のある人が多く、物に対するこだわりや利益を度外視した商売、おもろい人生
   送ってるな〜、みたいな人達を見ていると頭が下がります。又とても勉強している後輩にも頭が下がります。


                                                目次へ 戻る


2007年7月26日

 さて、店の維持の為に、そう、前回の続きです。
利益率の高い露天、毎月四天王寺と須磨寺に出店しています。
四天王寺は場所柄か値切りを楽しむおばちゃん達が多く初めは面食らいましたが、この
頃は値段はまけるけど気合は負けへんで、と楽しむゆとりも出てきました。
                                                       
アニメの残党の一人さん作
 振り分けバッグ

  「これなんぼ?」
  「800円です」
  「500円にして〜な」
  「う〜ん」(考えるフリ)
  「しょうがないわ500円でええよ」
きっと値切られるのを見越しての800円です。

でも「これなんぼ?」
   「100円です」
   「50円にして〜な」
私は50円なんてお金の存在を忘れてました。
今時50円で何が買えるねん!
50円をバカにした私は50円に泣くしかありません。
(10円でも5円にしてと、おっしゃいます)。
ガ、ガンバルぞ!!。

おかげ様で売るのは余裕なんですが、後片付けが大変です。今でも憂鬱で、片付けてる
時の私のぶ愛想なこと、邪魔すんなよ!買わんでエエ、商品にさわるんじゃねぇ、と口にこ
そ出しませんが態度に出そうになる。満車でないと不安な主人は「引越しか?」位の商品
を持って行きますので、仕入れも含めると帰りの荷物が増えてる時があり、私は助手席で
「希望」ならぬ「荷物」を抱いて帰ることも度々です。

ときには取り囲まれて、アレなんぼコレハ!とせっつかれます。忙しいときにトロトロ出来ま
せんので(私は自慢ではないがトロイ人)、瞬時につり銭が出し入れ出来る様にバッグを加
工して使ってます。

さすがに上記のバッグは、加工はしのびないので仕切り紙を入れて使い易くしてます。
ウエストポーチから始まり、これで何代目でしょう。色んなバッグにお世話になりました。
皆あんた達のおかげです、有難うございます。

 *一昔前なら露天商って裏侘しいものがありましたが、フリーマーケットが流行り若者がたくさん出店しだすと
  何となくあっけらかんとした雰囲気になり、結構楽しい市場になってます。いい仲間と知り合い、お客様もふや
  すことが出来ました。

                                                目次へ 戻る


2007年8月5日

 今回は骨董祭のお話しをいたしましょう。
出展しだしておおよそ15年位になると思いますが、売上向上と共に顧客の開拓、他業者と
の接触、販売方法等、学ぶことは多く眼は開きっぱなしです。

 骨董祭には、津々浦々色んな業者が様々な荷物を詰め込み遠路はるばるやって来ます。
商品を選び、お客の顔を思い浮かべ喜んでもらえるかなとドキドキしながら、主催者からは
せっつかれながら荷物を搬入します。
開場後、目当ての店に走って行くお客の姿に「さあ始まったぞ!」と、一瞬緊張が走り気分
高揚となります。お祭りの始まりです。

 軽快な音楽が流れ会場はざわめきでいっぱい。でも、我が店にすぐにお客が来ることは
殆んどありません。商品の選択を間違ったか、と頭を抱えていると、そのうち一人二人と寄
って来られます。おなじみさんは結構丁寧に見てゆかれますが、お気に入りが無ければ「う
〜ん」とさりげなく去って行かれます。売れない悔しさより、意中の品を用意できなかった申
し訳なさの方が強く、これが次回の仕入れのばねになります。ひじり屋の商品を理解して、
「一番に来るのよ」と言われると、嬉しくって自分のほっぺの一つもたたきたくなります。

 3日目になると、悲喜こもごも、それぞれ業者の顔が違ってきます。キッチリ顧客に売れた
人、もくろみがはずれた人、一発あてた人、やけくそで仕入れに走り回る人。当店ご主人様
は顔に出る人で、初日にでも売れようもんなら、ちょっとニヤついて仕入れへと走ります。今
回はそんな顔は出ませんでした。売れなさをそれぞれ何処ぞに責任をなすりつけて、わりと
各業者、元気なのが不思議。一々嘆いてなんかいられない「次がある」ってとこでしょうか。

 搬入も大変ですが、最終日、ひとふん張りした後の搬出はしんどくてちょっとさみしいもの
です。(冬でも)汗だくになりながら、包んだりたたんだり。私は何年経っても慣れないちょっ
とむなしい気分を、片付けで紛らわし、黙々と荷積みをしていきます。そして売上等反省しな
がら帰路に着きます。遠方なら途中で運転一休みしながら、バカ話やお客様のうわさ、前を
走るトロイ車に毒づきながら神戸へと一っ走り、「祭りの前と後」の喜び悲しみを引っさげて
夜明け前眠りにつきます。

                    *****

 こんなお祭りの準備や倉庫整理は心身ともにとても大変。そんなときお役に立つ助っ人が
います。お待たせしました!前回紹介しました振り分けバッグを造るTさんです。この方はホ
ント仕事はキッチリ、任せて安心、そしてホンワカ、でもしっかりしたおじさまです。
四天王寺でトランクを買って行った、変な二人連れの一人です。
買取りが続くと嬉しいけど整理が大変、汗まみれで主人は荷物と格闘しなければいけませ
ん。整理べたの主人にとっては「神様仏様 T様」となってます。トイレも無い倉庫でホンとに
エライですね、T氏も主人も、ご苦労様です。「いつもこき使いまして申し訳ありませんね」、
「イヤイヤ、え〜ねんよ」と人懐っこい丸い顔で意味ありげにおっしゃいます。(そこがオモロ
イ)。今回は節々が痛いとのこと、お大事に。

 *もしかしたら骨董祭の売上に一番貢献しているのはT氏を含む、なまかイヤ仲間達なのでは。
   ハッハ〜恐れ入りました、有難うござりまする。

                                                目次へ 戻る


2007年9月1日

 極暑のみぎり、お客様は少なくそんなヒマそうなお店では一体何してんの、と言う訳で、
ある日のひじり屋の1日をご紹介。
駅よりわずか5分だが、暑い中を歩いて店に着くと少しホッとする。まずお湯を沸かし掃除
を、でも今日は着物の整理が残っているので、手抜きで良いか、と簡単に済ませる。パソ
コンの電源を入れインターネットで本日のトピックス、そしてメールの確認。少々疲れ気味
なのでそのまま座り込み、芸能ニュースや三文記等を読んで頭慣らしを。

 一息つくと昨日の着物の残務整理に取り掛かる。さあここからが仕事本番です。着物が
入荷すると何だかワクワクする。だからどうなんだ、と思いつつも広げてたたんで「あ〜ギッ
チョンチョン」とつぶやく、それがうれしいときの口癖。嬉しい一品は夏用の付け下げ、少し
薄汚れた様に見えるベージュの濃淡が寂しい。絵柄は左前に墨絵で竹、右前に渋茶色で
干し網と貝殻、昭和初期の品だろうか、貝は部分的に絽刺しになっており、「やりましね、
これ一枚で軽く原価はとれるでしょう」、なんてニヤニヤしながら、と、目に付いた植木の水
やりをする(なんで?)。私はいつもこうである、嬉しい着物はどうなるの?イヤイヤ気が付
いた時にしないと忘れるからで、だから植木の水やりから今度は冷蔵庫の霜取りを済ます。
でも決して着物のことは忘れてない、頭で処理できないので形に残しておく、お陰でやりか
けの仕事があちこちにある状態になる。あ〜こんな女に誰がした、と昔は責任転嫁したもの
だが、最近は自分の性だと冷静に判断出来る位の年齢になった。

 やっと着物に戻ると、店、市場、露天、どうしたらええねん着物 等に分け、それぞれ箱詰
展示をする。そして展示する為に場所を空ける、空ける為にそこにある着物を又分類・・・・
こうなると私の思考が追いつかなくなり、気が付けば店は着物が山積状態になる。「ハハハ」
笑いごとではないがもう17年にもなれば心得たもので「フン」と軽くいなし、まずは食べて力
をつけねばと、昼食に取り掛かる。食べ終わるとメールチェックと伝票整理に取り掛かる。
ご主人様から売上は、と聞かれたときの為、数字を叩き込む。(10分もすると忘れるけど)

 そして元気もりもりで着物に向う。と、本日最初のお客様がご来店。
「暑いわ〜」
「暑い中有難うございます」
さあ、お茶の用意。(自慢ですが当店でお出しするお茶は美味しいと評判)。
                                                
                   *****
2007年9月10日

 おなじみのお客様は山積みの着物に「うわ、見ていいかしら」と、嬉しそうなお声。
「スミマセン、大量に入荷したので散らかってて」、と自分の整理能力の無さをごまか
して愛想笑い。一緒に着物を広げたりたたんだり、それとなく整理していく。小一時間
後、現代大島をお買上げ。嬉しそうに帰られるお客様の姿が励みになって整理がは
かどる。
格好がついた頃、男性のお客様がご来店。伊万里の棚をしげく見て「中国物は無い
ですか」「只今は在庫してないですね」。同業の方で、「ぱっとしないですね、面白い
ことがなくなった」云々かんぬん(こんな四方山話しが大切な情報源)。「又、寄せて
いただきます」と帰られた。商品が無いと言うのは少々つらい、せっかくご来店頂い
たのにと思う。わたしゃ、すっかり商売人になったもんだ。

軽くお茶で一服、またまたメール確認(気分転換?)。さあ、地方発送の準備だ、と時計を
見て「ええ!もう3時過ぎ、今日は着物の整理で終わりか」と叫ぶ。ほとんど一人でいるの
で口はへの字に曲がり、目つきは悪くなる。時々叫んだり、演歌をうなったりしないとおかし
くなる。
 

 地方発送は確実に売れる、うれしい仕事だ。依頼品を集めチェックし値段付け、伝票を発
行して荷造り、発送。このお客様とは電話だけのお付き合いでもう10年位になる、お声から
でも誠実な人柄が感じられ「よっしゃ、これもオマケや」となってしまう。
発送がすむと準備や、「入荷しましたよ」と売り込みの電話をする。

 5時です、この頃になるとあと2時間、という引き算の時間割で仕事をする。さあ、深呼吸し
一服(又か、スミマセン)。
店の並びの角に庚申塔があり5体の道祖神を祀っている。いわれの一部に死者を弔った帰
り、ここで草履を新しいのに履きかえ、死霊等を祓った、と書いてあり、やたら心に残った。
以後、店の終わり頃の一服は、「今日も1日有難うございました」と言う気持を込めて飲む。
(疫病予防の神で、商売繁盛の神ではない)。まあ、元気が一番ですから。

 外を見ると、まだ陽炎でも立ち昇りそうな照り返し。ものみな働いている、ご苦労様と思う。
お隣のタイ料理のママさんが、ふうせんかづらを持って来てくれた。青さが清々しい。ちなみ
に花言葉は「多忙」。おみごと!!

                     ***** 
2007年10月27日

 「ひじり屋の或る1日」は、やっとお仕事すませて帰れる、様です。
私は主婦ですのでこの時間(午後6時頃)になると「今日の晩御飯はあれがあるからアレで
これはこうして・・」と、布で山になった机を整理しながら考える。するとフルマラソンを走った
ランナーみたいにドッと疲れが出て、ヨレヨレと座り込み、それでも出来る仕事をする。
(せんでもええのに、貧乏性や)
一休み?の後はボロ雑巾みたいな体に鞭打って、裏に積み上げた商品(か何かわからん)
の整理をする。これがちょっとした重量上げで、整理した箱を腱鞘炎気味の腕をいたわりな
がら2メートル位まで積み上げる。たいしたもんだ私は。
               
まあ、こんな力仕事くらいしないと、資料や専門書をひっくり返しては勉強し、仕入れに走り
回ったり、店の看板おじさん(一度見たら忘れられない顔)にもなってる主人に申し訳ない。
えっ看板娘は私では・・・?。
以前友人が、「もたいまさこ」がエレキを抱え踊り狂ってるコマーシャルを見て、私そっくりだ
と笑い転げた。・・そりゃ酷かろう(どっちに)。と、まあ私の美貌はほっといて、できる人がで
きる仕事をやらねばネ。(トホホ、ち・か・ら、だけか)

 見事に積まれた荷物に大満足。さあ調子が出てきたぞ!、ってもう終わりやろ、は〜ぁ。
お茶の後始末やごみ出し、店の格好づけを確認後「明日よろしくね」と心でつぶやく。そして
何かいっつも忘れ物がある様な気分で店を後にする(やっぱり貧乏性や)。今日も一日無事
に、強盗に襲われることもなく、落下物で怪我することもなく、客とけんかすることもなく、終
えられて良かったと思う。
オットット、鍵かけたかな、はい戻って確認、御苦労さま。


 *店番の間にかかってきた電話は6回、買取り、業者からの問い合わせ、店案内、等々。主人に連絡とったり、
  調べて掛け直したり、これが結構手間がかかる。店をかまえるとは、何のことない仕事の積み重ねで、少々の
  もうけを慰めに、にっこりと一日を過ごすことと思うべし。


                                                目次へ 戻る

2007年12月15日

えー永らくのご無沙汰でございます。すみません、誰に謝ってんのかわかりませんが、
お待たせしました(誰も待ってへん)、ひじり屋がつぶれてない証拠に「ひじり屋物語」
続きで〜す。

そう、この「HP」がやっかいものでしてな、
「ひじり屋さん、あそこ字が間違おてまっせ」
「へ、どこどこ、あ〜えらいこっちゃ、気ィつきまへんで」
と、私今「ちりとてちん」にはまってまして、今回は落語調で一席おつきあいを願います。
               
「なんで、あちこちのページが不揃いでンネン、話はおもろいねんけど・・・」
「わかってまんねん、カメ万年」
「冗談言うてる場合やおまへんで」
「ほな、悪いけどてっとくんなはれな〜(手伝って下さい)」
「よろしおま、まあ、普段世話になってるひじり屋さんやさかい」
(世話掛けてんのはこっちの方やけど)
例のトランクの二人連れの一派でございます、Y さん。年よりは若く見えますが、なかなか
の落ち着きを感じさせ、ぼそっと喋る「おいしい」の一言がまことに哲学的に聞こえると言う、
しっかり者でございます。

 「これ、**の名物」と手土産をぶら下げましてある日の午後やってまいりました。
おもむろに パソコンの前に座るとひたすらキーポードをたたき、お、おったんや!とそ
の存在を忘れそうな位「シーン」と、HPの手直しをはじめたのでございます。
こちらはお茶を入れたり掃除をしたり、店の準備にわらわらしておりますと、
「今までの分はどこや」
「ほれ、ここココ、コピーしておまんねん」
「字、小っちゃ!」
「そうそう字の事でっけどな、・・・」
と、こちらのあほ丸出しの問いに「フ〜ン」と難しげな画面を出して調べだしたのでござい
ます。「****」やし「@@@@@」やから、と落ち着いた宇宙語の答えに私は只一言
「日本語でお願いしま〜す」。

 *  紹介しましたYさんは、「特定疾患」の「なんやら病」(何度聞いても覚えられん)と戦っておられます。
    と言ってもほとんど普通で?おのれの状態を熟知しうまく病気と付き合っています。すこしさめた印
    象のYさんですが、次回はちょっと意外な一面を紹介します、お楽しみに


               
                                                        
                     *****
2007年12月25日

ばかばかしいお話しの続きを。
「向いの空き地に囲いが出来たそうやな」「へー」、
ではなく!ひじり屋のお話です。

 「日本語でお願いします」とのたまわった私に、Yさんは困った
ような表情で何やらつぶやくと、又ひとしきりパソコンに向かい
まして、やおら
「要するに、でけへんてことですわ」
「さよか」(って解ってんのか!!)。
又何やらつぶやくとカタカタとキーボードをたたき出しますので、解決策でも考えてくれ
てんのかと、横でみつめておりますと、やたら独り言が増え居心地の悪そうな感じで
「どうぞ他の仕事を」とポツリ。やり難いんやと納得、と同時に「えーぇ、照れてる!鉄人
28号みたいに不可能は無いと思てたのに、人間やったんや・・・」と訳のわからぬこと
を思いながら、何となくホッとしたのでございます。

 「まぁごゆっくり」
私も暇ではございませんので、入荷した商品の整理やらをしておりますと、ややあって
「こんなもんでどうでっか」
「お〜、見やすなった」
「ここも字に色入れるとアクセントになるし」
「やりましたな〜、ちょっと高級そうに見えるやん」
「***やからQQQQと違うんで手間かかったけど、ま、ええンちゃう」
「・・へーそうでっか」(・・笑うしかない)
簡単なホームページの整備工事は無事終わり、なおかつページ数も増やしてもらい、
「ひじり屋物語」と「根付」のページが完成したのでございます。

 「おおきにおおきに」
「いいえ、又何かあったら」
どうやら人間であったらしいYさんは、乾杯の後さりげなく帰って行かれたのであります。

             

 *Yさんの頭脳明晰さと、かいま見せる、もろさ加減が私には新鮮で面白く可愛かった(失礼)、と結んでこの
  お話を終わらせて頂きます。Yさん有難うございました、来年も(仕事あるぞ〜)よろしくお願いします。

  (念のために彼女-女性です、はこんなベタな大阪弁はしゃべりまへん)       

                                                目次へ 戻る

古物商ふるものあきない ひじり屋  〒663-8003 兵庫県西宮市上大市1−8−1
TEL:0798-54-5258  
フリーダイヤル: 0120-71-3798  E-mail: info@hijiriya.com
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