ひじり屋物語 バックナンバー 2010年 】


2010年1月28日

 お正月は骨折した足の養生に過ごした様なもの。明けて早々医者から「歩いて大丈夫」
とお墨付きを頂き、ヤレうれしやと踏み出したのですが、すぐ歩けるものではない!と痛感。
でもこんな状態で東京の骨董祭に出発。コワゴワののS.A.でしたが、身障者用設備は万全
、専用のおトイレの広くてきれいな事。にもかかわらず土山のS.A.ではトイレを出たとたん、
ステンと初すべりとなりました。
 思ったよりホテルや骨董祭の会場での不便は少なく、「日本もイイ国ジャン」なんて単純に
思ってしまいました。搬入搬出に少々手間取りましたが、売上もマアマアで、「骨折の割には」
良い年の始まりだと、足をさすりながら帰りの車の中でニンマリとしました。
 さあ、骨董祭、在庫調査も終え、あとは恐怖の決算を残すのみ、と武者震いしている現在、
今のところ予定通り事は運んでますが、さて如何なりますか。           〜 続く〜

                                                                                       
                【バイトのつぶやき】

いよいよ奥さんの完全復帰です。
骨折の身にも関わらず、私達だけでは出来ない着物の整理や発送の準備や値段付けやパソコン・・・等など!
週2回程度のバイトの私は
「奥さんはいつも沢山の仕事をこなし、大変だなぁ」とつくづく痛感しました。

*有難う あなただけです、そう言ってくれるのは。単に能力がなくて、手間取ってるだけかも。


                                                                                        目次へ 戻る

2010年02月14日

 足の骨折、見た目には「ちゃんと歩いてるやん」位に回復しました。階段を降りるときが
少々痛みますが、これも日に日にマシになって来ており、人間の身体はなんと丈夫に出
来ているものだ、とお風呂でリハビリしながら感心して居ります。
 店での動きも依然と変わらず、どころか、大量に入荷した着物の整理でコマネズミの様
に動き回って居ります。ハイ、もちろん「慎重に」を肝に銘じて居ります。
 やれ嬉しい事に、雛展の前に何とか税金の申告書の恰好がつき、一安心(今年初の難
関突破)。今日は朝から店の表裏の何かわからん荷物の整理をし、市場便や四天王寺便
を作り上げました。そう、いっつも催事前にはこんな事ヤッテマス。(普段からやっておけ!)
場所も広くなり、明日は上手く飾りつけして楽しいお雛様展を迎えたいと思います。


                   【バイトのつぶやき】

「弟の結婚式にひじり屋さんで購入した訪問着を着て行ったら皆にほめて頂いたよ」・・・
「良かったですね!」
「お嫁さんより私が目立ったかしら?オッホホー」
「そんな事は?オッホホー」
お客様との一時です。
                                                                                                               目次へ 戻る


2010年03月09日

 一雨ごとに、の言葉通り暖かくなり、私の足もリハビリ、リハビリを
呪文のように唱え、
痛みをこらえて歩き、日を追うごとに元に戻りつつあります。しかし、やはり身体が弱っ
ていたのか、久し振りに風邪をひいてしまい、店の関係上寝込みもできず早や2週間に
なり、ヨッシャの掛け声で今日は大丈夫!と店に行き立ち働くのですが、夕方になると
ドット座り込みたくなる、その繰り返しです。年、なんでしょうか。まあ「馬鹿」ではなかっ
たと喜んでます。ちなみに聖殿はこの何年か風邪をひいて居りません。
 
 こんなフウフウ状態でのお雛様展の後片付けは、何と「着物の山の入荷」と重なり、
前夜からアーしてコーしてとあれこれ考えて、・・でもちゃんと寝ましたが。
当日(定休日)バイトさんを頼み、着物到着までは雛人形のカタズケをと、何とか鼻を
ぐずぐず言わせながらもテキパキ?と事を進めました。
 昼過ぎ主人がくたびれた顔で着物を運び入れました。御苦労さま、二人でする仕入れ
を一人でやってきたのですから。
 まず大風呂敷を解き中身を確認、分類し、カゴに収め積み上げ、取り合えず店の格好
をつけながら整理してゆく・・積りが、見る間に通路は着物の山となり・・・でも、私の頭の
中では整理できてるもんね〜と言い訳しながら、着物他の山とにらめっこが始まりました。
大島、帯、留袖、と進むうち、肩で息する様になり立ってるのがシンドくなってきた。そんな
中バイトさんがとにかくテキパキと無駄口もなく処理してくれたのは大助かり、チョット先が
見えた様な気がしてホットしました。
 「3時過ぎ、お茶しましょ」と取り合えず座り込み、ハ〜イと言いながらも着物をたたみ続
けるバイトさんにお茶を差出しました。残り3包みは殆んど綿や、ヨッシャ、アレハここに置
いてコレはタンスに突っ込んでやな〜、シンドイのと能力は私の場合比例します、どれだ
けせっぱ詰まっているか、で仕事が進み、お茶しながらもじっくりトロイ頭とすわった目付
きで、積まれた課題イヤ着物を、バシバシとなぎ倒していくのです。
 
 おおむね片付いたのが4時頃、明日にと思っていた紐類の仕分けをし、その辺掃除して
残ったお雛様は明朝はやく来て「ヤッツケ」よやないか、取りあえず今日はこれで終わり!
「ありがとう、ほんと助かったわ」大働きのバイトさんに大感謝、で気がつけばシャンとして
おりました。は〜ぁ、風邪は動いて治せと育てられた、私の面目躍如と言うものです。

         
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2010年4月4日

 
衣替え、引っ越しの季節、お陰さまで?買い取りの電話が重なり、
倉庫の引っ越しや車
の買い替え等でバタバタの主人は「は〜疲れた、死にそう」を連発、確かに大変そうでは
あるが、そんな簡単に死んでもらっては困ります、あと20年以上は働いてもらわないと。
 夫婦共片付けは苦手、でもでも、骨董祭や露天では毎度の如く後片付けがありまして、
ほんとによくやって来たもんだと、自分達をほめてあげたい。

 さて先日の京都骨董祭の後片付けは、と言いますと、まるで神懸かりの如くなんと1時間
位で片付いたのであります。今回は明日の買い取りの都合で本日中に店に商品を戻さね
ばならない。私は最終日朝から展示台の下を整理、ゴミ、事務用品袋等をまとめ、ひそか
に片付けの下準備をしました。4時過ぎになり隣近所がバタバタし出すと、主人から「倒され
たらアカン」と棚に並べられた古伊万里の箱詰めの指示が出て、接客の合間に、でも頑張
って例え2、000円でも売り上げを伸ばしながら、詰めていきます。
「勝手でございますが、遠方よりの業者は片付けにかかります」と、館内放送が流れ最終日
の慌ただしさが出てきました。じっくり交渉するお客、立ち去りがたそうに品を見ていくお客、
そんなこんなでも、5時となり「蛍の光」が流れ出します。
私はバラケタ古裂をたたみ(古裂関係は行李にきれいに並べて展示していたので、超簡単)
着々と行李を積み上げ、セット品や単品を風呂敷に包みに、ついでに空いた机上の敷き布
をたたみケースへ。「私は片付けの天才か」とひそやかに鼻を鳴らしながら、厄介な帯留や
人形等をティッシュでくるみ小引出しにしまいました。 ここまで来るとちょっとホッとします。

 片付けの時は何を考えているのか、BGMと一緒に歌っていたり、なんか素敵な物語を考
えていたり、今夜の晩御飯は何が良いか、などと取るに足らぬ事を思いうがべております。
「チョットたばこ吸ってくるわ〜、まあ慌てんでもエエで」 、ご主人さまはいったい何を考えて
居りますのか。
                                                〜 続く 〜  
                                      
                      *******
2010年4月11日

 古裂関係の片づけが一段落しホッとしていると、
伊万里を片付けている主人の横で少し
前から根付を見ていた外人のバイヤー、「大工なんです」「え〜、日本で大工やってはる
のん!」「5年前に来日して・・・」「やりながら、根付けのバイヤーを、偉いですね・・・」と気
の良い感じで話は進み、選んだ根付けの値段交渉に。「全部買って頂けるんでしたら*円
で」「う〜ん」。又ひとしきり、型枠の大工だった主人の話題を交え、「コレとコレではいくら」
「え〜と、+円になります」。主人は値段帳を見ながら、外人さんは根付を見ながら、二人し
て「う〜ん」。ややあって「頂きます」、「有難うございます」。私も一緒にお礼を言いました、
最後の嬉しい売上です。
 
 さあ、吊り下げてある着物を下ろしまとめて風呂敷に、私の任務はほぼ完了。後は主人
担当の伊万里や、何やわからん物を丁寧に包んでケースに収める手伝い。
今回、古伊万里は箱物がほとんどで、他はそば猪口と小皿が少々。かってない程少ない
品数でこれも思ったより簡単に片付きまして、「よっしゃ、車取りに行ってくるから、絵画と
本の整理頼むで」、と御主人様は駐車場へ飛んで行きました。箱なしの油絵を新聞で補
強し箱入りと共に風呂敷でくるみ、本は専用の箱に。お〜スバラシイ、完了や!のつもり
でしたが、展示用机をたたむと、下から本が、着物が。私はアクシデント(言うほどでも無
いけど)に弱い、あわてふためき遠のいた着地点にがっくり、だから朝から整理してたのに。
ニコっと笑顔を作って「なんくるないさ〜」(好い言葉!)って呟いてましたら、こんな事には
ビクともしない主人が車で帰って来ました。荷積みは任せて「おトイレ行ってきま〜す」。

 アチコチ「お先に失礼します」と挨拶し、車に乗り込み、時計を見ると6時半前、帰路、心配
した車の渋滞も殆んどなく、店のバイトを頼んだ友達に「7時半ごろ着けるけど、暇やったら
晩飯どう?」。
こんな早いの始めて、なんかひじり屋も片付け上手になったもんや。

小心者の私が物事にイライラすると、不思議に主人は冷静になり「しょうが無いやろ」。
二人の感覚が微妙に違うお陰で、うまくバランスがとれ、此処まで来れたんだ、とつくづく
思います。
                                                                                           目次へ 戻る




2010年5月6日

 近況報告でも書きましたが、ひじり屋のバイトは結構仕事量があります。
もちろん絶対
ノルマはありません、念の為。
コレをバラシテ、アレをセット組んで、それからアイロンかけ、あっ、着物が乱れてるから
たたんでもらって・・・確かにイッパイあります。自分でせえや!と自分でも思いますが、
バイトに出来る事はバイトに、私しかデキナイことを、私がやる。チョット、そこのあなた、
「奥さん、何ができるの偉そうに?」てな顔してませんか?。値段決め(古布着物関係)
、古裂市場発送、そしてこのHP作成、催事案内のチラシ作製、時々裂市場に出品参加、
入荷品の整理と展示等。私って天才!と思う位に良く働いてます。(オホホ!自画自賛) 
 
 バイトさんの仕事は単調な繰り返しが多く、飽きない様に色んな種類の仕事を用意して
います。これ又ほんと、量だけはイッパイ、いつになったら片付くやらなんですが、コツコツ
と嫌がらず、接客しながら、ありがとうございます。
 主婦の方が多いので、生活の知恵を出し合い、少しでも便利に楽しくワイワイと1日を過
ごして頂ければ、と思って居ります。
 急にしおらしくどうした、とお思いでしょうが、定期のバイトさんが私用で2週間お休みされ
、続けざまに出勤は少々気持ち的にハードで、「は〜ありがたい事だ」と感じ入った次第で
ございます。
 
 店内もチト気を抜くと何となく汚くなり、お花もシオレテきます、こんな日々の積み重ねは、
バイトさんの協力なしでは続けていけません。これからも宜しくお願い致します。

                                          目次へ 戻る 


2010年6月1日

 朝のウオーキングのついでにチラシを撒こう、となり、夫婦で頑張って
配布して居ります。
朝飯前よと簡単に考えてましたが、これが中々神経を使うもので、誰や怪しいヤツ、なん
て思われない様に、明るく、何気なく、速やかに、を心がけ、おうちの方に出会ったら「お
早うございます」と元気に声掛けを。ほとんどの方が「ハイ、御苦労さん」とにこやかに返し
てくれます。ホッとします。
こんな小心者の私と違って主人は「なんも悪い事はしてへん」と、バリバリ元気で集合住
宅の階段も軽やかにチラシを配り、その姿に、えらい成長したもんやと私は感心してます。
昔は、「女が行った方が怪しまれんで済むから」と、私は一軒づつ買取りの声掛けをさせ
られたものです。(確かに怪しまれませんでした)
15年も過ぎると、ご主人様にとって「買取り、初出し」はある意味使命、イヤ、生きる希望
となっているのでしょう、私が適当にごまかして配るのと違い、とても丁寧で、一軒でも何
かエエ話があったら、の思いがヒシヒシと伝わってきます。(チョット大げさ)
どうぞ少しはエエ話、あります様に。
 
 私は方向音痴で、角を3回曲がると居場所が解らなくなります。有る時チラシ配りに熱中
して、ココは何処?となり、主人のケータイへ「何処にいてんの?」「お前は何処や、元の
道に戻って来い」「それが解る位やったらケータイかけへん」ってことになり、すっかり馬鹿
にされてしまいました。それからは角は2回しか曲がらない様にして居ります。
 
 色んな発見があります。まずポスト、大概は細長い口を押し、入れ込むのですが、おしゃ
れな家型のポストは「何処から入れるんや、ウロウロ触ってたら怪しまれる」と冷や汗もの
で、やっと前面を手前に引くんだと解るまで2軒はズルしてしまいました。又住まいの近所は
山手なので坂が多く、従って皆様のお家も石段を登って玄関があったり、下方に?屋根が
見えてたり、と意味もなくワクワクする様な造りになってます。そして、ほとんどのお家が玄
関先をきれいなお花で飾って居られ、樹木の緑に、鳥の声、時々飼い犬は吠えまくりますが、
今がとても気持ちの良い時季だと、おしえてくれます。これが一番の発見でした。                   
                                              〜 続く 〜
                                            目次へ 戻る


2010年7月1日

 はてさて、ひじり屋のウオーキング(チラシまき)、きっと、もうヤッテへんねんで、と思われ
た方も・・・続いてます!。
今回は店の近所、学生の街甲東園です。甲東園は平坦な道でしかもお屋敷が多く、チラシ
まきも自然に力が入りました。要領も良くなり、玄関先でお会いした奥様方にはニコヤカに
「お早うございます、宜しくお願い致します」とあいさつしチラシを渡します。
一度、庭掃除をされてる男性に挨拶し「どうぞ」とチラシを渡し、ヨ〜シ頑張るぞ、と歩き出し
たら主人が肩をトントン、「今の人チラシを見てそのままチリトリにポイやったで」とニヤニヤ
、てな事がありましたので、過大な期待はしない事を心がけてます。
 お茶や踊り等の教室があり、特に目についたのは、2世帯の表札が結構多い事。甲東園
も適度な緑が気持ちよく、美術館が有り、公園が有り、そして色とりどりの服装で、学生達が
列をなして坂道を上がる姿に「日本の未来はあなた達にかかってます」と、願わずにおれま
せん、しっかり勉強してね。
  
 さて「手ぬぐい展」のチラシ、よ〜しマンションめがけて撒こう、となりまして、管理人さんに
ことわりを入れ「はみ出さない様キチンといれて下さい」の通りしっかり200軒近く処理しまし
たが、一軒一軒トコトコ歩いてのチラシまきに比べ、何となく単純で物足りなく、チラシも足り
なく、後は唯のウォーキングとなりました。

この暑い中、真夏はドウナンネン、まだ緑があるから良いけど、と汗をかきながら店に戻って
まいりました。フム、夏対策を考えねばなりません。
 
 え〜、ご近所の皆様、ひげ面のおっさんと、メガネのお人よしなオバサン連れ、決して怪し
い者ではありません、時々チラシをまかせて頂きますが、宜しくお願い致します。

                                               目次へ 戻る


2010年7月24日

 先日岐阜の「鵜飼」を見に行ってまいりました。と言うと聞こえはいいですが、買取り兼で、
先方の方から声をかけて頂いたのです。
 朝からの雨も夕方には止み、乗船すると主人はビール片手にホクホク顔。始まる少し前に
「ジャンジャカジャン!」と笛や太鼓の船が何往複かし、花火が打ち上げられ、さあ、いよいよ
始まるぞ、と気分は大盛り上がりです。
 来た〜、篝火が見え鵜飼の船のお出ましです。一斉にフラッシュがたかれデジカメで皆撮る
こと撮ること、私もHPに載せねばと、立ちあがったり身を乗り出したり(どちらもダメです)して
焦点を合わせるのですが、遠く、暗く上手く撮れません。「狩り下り」の鵜の動きも一瞬で絵に
はならず、クライマックスの「総がらみ」は単に鵜舟が6隻並んで走ってるにしか見えず、そう
こうしている内にハイ終わりとなりました。
 写真を撮る事に振り回され、結局楽しめず、少々考えてしまいました。もっと落ち着いて雰
囲気を味わえば良かったのに、は〜あ、情けない、何か間違ってませんか、と大いに自己
反省。連日の雨等の諸条件もあったのでしょう、ちょっと短い気もしました。
 終り頃、遠くの火を見ながら私達は
「もっと篝火の数を増やしたらいいのに」、「鵜がウロウロするやろ」
「ほんなら篝火をでっかくしたら」、「鵜匠さんが火傷するがな」
「岸からサーチライト当ててやな〜・・・味も素っ気も無いわな」
と船上で漫才となりました。
でも、大いに魅力ある行事です、今度は色々下調べして又来るで。

 紹介して頂いた業者Hさんには送り迎えまでして頂きほんと有難いことで、次回はその
買取りの様子を紹介したいと思います。ホント楽しい買い物でした、お楽しみに。
                                     
                                                                               〜 続く 〜
                                              目次へ 戻る

2010年8月12日 

 岐阜への買い取りの巻きです。

朝から雨模様の中、やっと着きました岐阜のHさんの別荘替わりのお宅、先ずお抹茶を
立てて頂き一服、美味しいお茶でした。
私が一息入れてる間に玄関先で何やら、気が付けばお皿やら道具がいっぱい、主人と
Hさんがあれこれ喋りながら値踏みです。中には、半分欠けた古伊万里のお皿が。「ひと
昔前なら」と、しみじみ乙な絵柄を見やりました。
 さて一交渉済ませ終わりかと思いきや、家の路地脇から「お〜猫の看板や!」が出てき
まして、主人も路地脇へ。私も縁側からアレコレ見ていますと、主人が道具を抱え、なんと
蜂5匹位を引き連れてやって来ました。「うわ!」と目をむく間もなく、「イタ!!」とおでこを
抑え、それでも荷物を置くと又もや蜂を引き連れて戻って行きました。
「ものすごく痛かった」らしいのですが、殆んど気は道具の方に向けられておりました。
 ヤットコサ積み込み、本日の買い取りは終了です。
この後Hさんは、鵜飼見物の送り迎えにビールとおつまみも用意して下さり、本当にありが
たいことでした。
 鵜飼から帰りホテルでひと風呂浴びた主人は「明日は本宅や」と、うれしそう。
ホンマに骨董屋でございますね。
でも次の日、主人に負けずHさんの「どうです、コレ、手に入れた時は嬉しかった」と話す
えびす顔を見て、こちらにも、「モノすき」が居ると、つくづく感心してしまいました。
次回、別世界の二人のモノ好きはどんなものでしょうか、お楽しみに。 

                                            〜 続く 〜
                                             目次へ 戻る

                     ********


2010年8月29日

 前回、話が前後し解りにくかったと思います。
まずHさんの別荘にお邪魔し、買い取りを済ませるとホテルへ案内して頂き、一休み。
そして夕方鵜飼見学へと送迎して頂いたのです。本当にありがとうございました。

 はてさて、そんなHさんの本宅に次の日お邪魔いたしました。雨も止み少し爽やかな
はじまりです。まずはお抹茶で一服、やはりホッといたします。四方山話の後、Hさんが
どこぞの買物のお話をされ、「チョット、見ますか」と嬉しそうに出して来られました。私
には物は解りませんでしたが、確かに面白そうな逸品が何点か。お気に入りで、見せ
て頂くだけでしたが、買った時のお話ぶりが大層楽しく、期待感を持たせてくれます。
 奥様と昨日の鵜飼のお話をしていると、どこぞから(昨日もそうでした)湧いて来る様
に古布や道具が山と積み上がり、慣れた様に主人が手帳片手に値踏みし出しました。
何処にあったんでしょう、ゴリッとした縞絣や型染めが束になってます。
新聞紙で包んだり、箱積めたり(少しは役に立たねば)、一仕事の後、近くの有機野菜
のレストランで昼食タイムとなりました。
1時間ゆっくりした後は、奥様とモノ好きの亭主を持つといかに大変か、で話が盛り上が
っていますと、主人の呼ぶ声。お家の横手の奥の倉庫らしき所で二人が「コレはどう?」
「ハイ、欲しいです」と、やりとりして居ります。人形やら、茶椀やら、何か解らんもんやら
を箱詰めしていくと忽ち5箱ほどに成り、この蒸し暑い中で、二人は何とも思わんのか、
と見ますと、ひたすらHさんは机から物を取り出しニッコリ、主人はほこりを払ったり首を
ひねったり、決して暑さなんぞ感じておりません。
やっと荷積みが終わり、主人は出された大きなスイカにかぶりつきました。残ったスイカ
はお土産にして頂きました。

 さあ、最後に一服、と別室でお抹茶をたてて頂き、私は、終わった、とそれこそホッと
して居りますと、Hさんが「**でOOがあるんだって話でね、買いに行ったら、ちょっと
した銘品でね、見ますか」と隣の部屋へ、又もやそこで談笑イヤ商談が始まりました。
「遅くなりましたね」と奥様がお気遣いの言葉。女共はお互い申し訳なく思い「ホント二人
で別世界ですもんね」と、苦笑いするだけです。

 でも、こんな人達のお陰で骨董業界は成り立ち、物も掘り出される、と常々思ってます。
でもでも、私達女房が陰で支えてるからこそ、好きな事が出来るんだぞ、とも思ってます。

 Hさんは本当に物がお好き、そして人も大好きで、人生を大いに楽しんでおられます。
小さくあくせくしている私は大いに勉強させられました。

 それから1時間後、今度こそ本当に「ありがとうございました」と、ふた夫婦はお互い頭
を下げて、さよならをしました。
                                         
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2010年10月10日

 9月より色んな事が重なりバタバタと過ぎた2か月でした。
 まずは、私用で主人の実家、青森へ行った時、おもしろい物を
発見。
例のごとく寝台車で向かいましたが、雨の為6時間近くの遅れで
(特急料金が戻ってまいりました)、「朝食にお飲物とカンパンを
お配り致します」とのお詫び放送。
「え〜、戦後じゃあるまいし、カンパン!!」」と二人で目を丸くし
て居りますと、配られてきたのはお茶と「缶入りパン」でした。
缶パン、缶詰のパンです。そんな物が世の中にあるなんて、
お陰で退屈な車内がちょと盛り上がりました。
でも、青森の実家にはなんと缶パンが3ヶ転がってました。


 この青森行きから帰った早々山の様な着物入荷で、整理に
アタフタしていますと、常勤のバイトさんにお孫さんが産まれ、
しばらくお休みとなりまして、取りあえず店の格好をつけんと、
とシッチャカメっチャカ状態で裂市場へ発送し、京都骨董祭の
準備と考察、そして「ショールとコート展」のチラシとハガキのデザインや〜、等と頭を抱え
てましたら、主人の方が風邪を引き1日寝込んでしまいました。それでも主人は次の日ふ
らつきながらも、骨董祭の下準備にかかり
「今回は伊万里は止めや」、「なんか売れる気がせん」等、チョット頼りなげに早々済ます
と家に帰って行きました。
 私はチラシ等のデザインを完成させ、印刷出来るよう準備をし、「取り合えず終わったで」
と、大きな溜息をつきました。 
 主人共々、疲れた身体にムチ打って何処まで考察出来たのかは解りませんが、骨董祭
では初日に「根付」が売れ、数字だけはクリアできましたが、後二日はボーとした売上状況
で、未消化な催事となりました。
物事が単に順番で進んでるみたいで、「空しいぞ〜」。
 
 ヨッシャ意志的に、後は「ショールとコート展」の準備だ〜、と力が入ってましたのに、又
もや着物入荷に絹セットの大量発注の嬉しい誤算で、臨時のバイトさんとロボットの様に
単純作業をこなしたのです。「チョットだけ空しいぞ〜」
 
 昨日で下準備が整い頭の中も整理でき、本日やっとHPにそのテンヤワンヤを報告して
いるのであります。
 
 御主人様も、ない事に風邪を引き、大忙しの夏後半でした。
 気がついたら、もう秋ですね。


                                             

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2010年11月13日


 甲東園では、久々のトピックスとなりました、甲東園バル。
私は駅南の踏切から大勢の人がこちらへ向かってくるのを見て、意味もなくワクワクし、
当然我店は関係ないのですが嬉しくて、踊りたくなりました。向かいのお寿司屋さんも
隣のタイ料理の店も行列で、同じ通りのちゃんこ屋さんは地下だから、大丈夫かな・・・
なんて心配しなくてもお客様は来たようです。久し振り心晴れ晴れ、祭りだ!祭りだ!。

 甲東園は学生の街と言われ(関学が在ります)駅近くの店はチョット洒落た居酒屋さん
が多く、引っ越した当初はアチコチ食べに行ったものです。美術館あり、緑も多く、素朴な
品の良さと落ち着きが私は大いに気に入ってます。唯、近年の不況でしんどい店が多く
なり、アチコチ閉店開店つづき、近所の店それぞれ「どんなもんなんでしょう」と思案顔。
皆それなりに努力はしていたようで、それが今回のバルに結びついたんでしょうか。

 隣近所の飲食店への参加協力の働きかけ、新聞社に依頼、、関学生の協力でチラシ
作り、中心で動いた方達はとても大変だったのでは。関係のない私達はピンと来ず、
チラシ配り位しか手伝いできず、期待もしてなかったのが現状で、今回の大勢の人達を
見て、よく頑張った!エライ!と拍手喝さいの気持ちだ。
後日、もっと期間を設け、色んな店も巻き込もう、音楽等を上手くジョイントさせたら、等
話が膨らんでいる様子。唯、「常連客に迷惑かかる」等の意見もあったよう、いつも通り
じっくりやりましょ、ガタガタせんと、の気構えの店も当然あるだろう。気持ちわかるし、
そんな店も在って欲しい。でもでも、年に1〜2回のお祭り騒ぎ、馬鹿になって一緒に騒
ぎましょ!!と、日頃あまり動かぬ私がなんとかしたいと思ったのも、あんなに大勢の人
達を見たからでしょうか。えべっさんの着ぐるみも参加、市長さんも来られて、TVカメラも
まわってたよ、との?事です。
 
 次回、楽しみにしてます。
 
                                             
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2010年12月16日

 私は現在自宅から店まで(一駅)徒歩で通って居ります。
時間も30分と理想的で、大半が住宅街なので落ち着いて周りの景色を見ながら、ジョギ
ングの延長と、結構楽しんで歩いてます。

 いつも通り仁川の駅迄歩き、中津浜線を南に向かいます。最初に目につくのが、車道を
外れたとたんに見えるフェンスに掛けられた、ハゲチョロケのくじらの板張りです。
フェンスの中はお墓です。通りのこちらむきに立てられているのが陸軍関係の人達のお
墓で、通るたびに「御苦労様でございました」、と敬礼したくなる雰囲気です。
くじらは一体何なんでしょう、どなたか御存じの方はご連絡下さいませ。
 真摯な気持ちでお墓を過ぎ三叉路を左に渡ると教会が有りN学院が見えてきます。
野球部?の学生が学校周辺を走りこむユニフォーム姿がなんとも格好よく、皆エースに
見えます。ガンバリや〜。
 この辺りになりますと細い道を行きすぎる車も少なく、ボンヤリ色んな事を考えながら、
宅地の隙間から左手遠くに中津浜線を見やり「エッヘンこちらは静かでゆっくりだぞ」と
大威張りで歩いてゆきます。体も温もり気持ちの良い朝を感じながら、ハテサテ、今日一
番の仕事は宅急便の発送やな、あっ、書留を用意せな、HPのひじり屋物語も変えな〜
なんて、人間の小さな私はせっかくの穏やかな時間をチマチマと考えるに終わり、やがて
瀟洒な住宅街をぬけ見慣れた教会を過ぎると、もう店です。

 最近腰痛がなかなか治らず、動かん方が良いのかハタマタ動いた方が良いのか。
店で3時をすぎる頃になると急に痛みが軽くなってくるので、少々動いて血の巡りを良く
した方が良いようで、このジョギングは私にとって好ましい日課になってます。
アルバイトさんも興味を示し、ひょっとするとひじり屋のマイブームとなるかもしれません。
 
 明日もあるくぞ!

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2010年12月28日

 埼玉在住の従兄から郷里のカレンダーが送られてきました。「金魚島カレンダー」です。
海に囲まれた島の形が金魚に似ています。従兄の尽力により制作され、思いもよらず
ヒット商品になっているとの事。手にした瞬間胸がいっぱいになりました。
山口県周防大島、屋代島です。

 私達家族は私が5歳位の時に大阪に引っ越しました。島での生活の記憶はほとんど
ありません。小学生高学年の時位から夏休みになると帰郷(家族一緒や一人でも帰っ
てた様に思う)する様になりました。
 私は母方の親戚に寝泊まりし、お墓参りだと言えば神妙に手を合わせ、海水浴大会で
は近くの島まで船を出して親戚一同参加、くろんぼ大会や宝探し、歌のコンクール等で
大はしゃぎ、盆踊りでは片足で地をけり、一人前に踊ったのを覚えてます。
臨時で島の学校に通ったこともありました。(多分葬儀の関係だったと思います)
方言にもすぐ慣れ「・・じゃけん」「ほうよね〜」と嬉しげに喋ったものです。
 楽しい楽しい夏休みでした。楽しすぎて大阪に帰る時、バスの中で「帰りたくない」と泣
きじゃくり、見送りの叔母たちを困らせました。いとこ達は皆学業優秀で、ぼんやりの私は
「よいよ、歌はうめ〜の〜」と歌だけはほめてくれてましたが、気の利かない出来の悪い
子供であったと思います。でも帰りたくないと泣く私が不憫で愛おしかったのか、皆かわ
いがってくれました。歌え、と言われると「マッチはいか〜が・・・(葬式で帰省、12月25日
だったのか?マッチ売りの少女です)」と、踊りながら歌い、年長の従妹が「や〜ら、恥ず
かしねえんね」、とからかっても大得意でした。

 そんな田舎も高校に上がる頃から疎遠になり、就職して働き出すと帰るのは不祝儀の時
だけ、となりました。唯、東京へ進学就職した従兄が帰郷の途中で寄ったり、大阪へ就職し
た従妹はしばらく我家に下宿したりと、縁は切れませんでした。
 皆大きくなり、東京や名古屋で立派に家を構え、そちらが本拠地になってます。
この何年間か、私が帰ったのは叔母や叔父達のお葬式だけでした。
島で働きしっかり根をおろし、代替わりした家を守る従妹や、実家を建て替え都会と半々
の暮らしを楽しむ従兄達。彼、彼女達はとても元気で寂しくなった家を守り、夏や正月に帰
って来る親戚の世話をします。葬儀の時も走り回ってくれます。

沖縄の次位にきれいな海、自慢の自慢の大島です。
大学からそのまま関東暮らしの従兄が、それでも金魚カレンダーを作りたいと思った気持
が、この年になって分かります。(彼は今、半々の生活を楽しんでます)

 先日みかんのお礼に主人が従妹に電話すると「帰ってき〜、家はあるよ」と言ったとの事。
「ありがと、その言葉を励みに、もうチィートひじり屋でがんばるけ〜ね」
                                                              *(有)日良居タイムスさんの金魚島マップやカレンダー、
 見れば見るほど嬉しくなつかしさでいっぱいです。
 恥ずかしながら、生まれただけで懐かしむだけで、
 島の事はよくわかって無かった。ありがとうございます。
 これから(有)日良居タイムスさんのHP楽しみに読ませて
 頂きます。






                                
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古物商ふるものあきない ひじり屋  〒663-8003 兵庫県西宮市上大市1−8−1
TEL:0798-54-5258  
フリーダイヤル: 0120-71-3798  E-mail: info@hijiriya.com
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